世界文化遺産にも選ばれたグスク(城)とは?青の洞窟が魅力の恩納村からの行き方
目次
世界文化遺産にも選ばれたグスク(城)とは
みなさまは沖縄について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
最南端の県、南国の離島、亜熱帯の暖かい気候、美しい海と砂浜、アメリカ文化との融合などなど、抱かれている印象は多岐に渡るのではないかと思います。
現在の沖縄は、政令指定都市である那覇市や中部西海岸沿いのリゾートエリアである恩納村などを中心とした一大観光県であり、多くの人々から愛される常夏の島です。
日本国内での旅行先一番手として挙げる人も多いほど、沖縄県は多くの人々にとって馴染み深い観光地となっています。
そんな沖縄県は今でこそ都道府県の一つとして数えられていますが、かつては琉球王国として日本とは異なる文化を有する異国でした。
1609年に薩摩藩からの侵攻を受け、1879年に沖縄県とされるまでは琉球王国としての体制を保ち続けていたのです。
異なる文化を紡ぎ、歴史を辿ってきた国の証として現在も残されているのがグスク(城)。
ユネスコによって「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産にも登録されており、その歴史的価値は非常に大きなものです。
今回は沖縄県の各地に点在するグスクについて、ご紹介させていただきたいと思います。
沖縄で見れる5つのグスク(城)
沖縄には5つのグスクが存在しています。
それぞれの特徴や魅力をチェックしていきましょう。
首里城
沖縄のグスクの中でも最も有名なものは、かつての琉球王国のシンボルだった首里城です。
中国の建造物にも似た朱色の門や城の姿は、本やテレビでご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
恩納村からのアクセス
首里城があるのは沖縄県那覇市首里金城町1-2。
沖縄旅行の基本であるレンタカーを用いての移動であれば、カーナビで「首里城公園」と検索すると良いでしょう。
またバス利用の際は、バス停「首里城公園入口」で降りれば首里城は目の前です。
見所・特徴
首里城と聞くと、2019年に発生した火災を思い浮かべる方も多いかもしれません。
正殿を含めて6棟が全焼してしまった大規模な火災です。
実は首里城は、それ以前にも歴史上4度の消失を経ており、今残っている建物はそもそもそのほとんどが復元されたものとなっています。
本来の建物は14世紀の末に琉球王やその家族の居宅として建設されたものでしたが、それは既に残っていないのです。
火災による焼失も首里城が経てきた歴史の一部ですので、火災からの復興が進んでいる最中の姿も十分に見る価値のあるものだと言えるでしょう。
首里城の敷地内にある園比屋武御獄石門(そのひゃんうたきいしもん)はかつての王族が足繁く通っていた礼拝所。
これは無事に現存しており、その姿をしっかりと見ることができますので、併せて見学してみるのをおすすめします。
中城城
中城城(なかぐすくじょう)も琉球王朝が健在だった時代に建てられたグスク群の一つです。
ここは天然の地形を活かした城の構造が特徴とされており、元々の土地に巧みにフィットさせる形で岩石が緻密に積み上げられている姿を見ることができます。
恩納村からのアクセス
中城城の住所は、沖縄県中頭郡北中城村大城503。
「中城(なかぐすく)」でナビ設定をすればしっかりとルートが表示されるため、道に迷うリスクはありません。
最寄りのバス停からはやや距離があり、「久場」バス停で下車してから中城城の入場受付までは徒歩30分ほどを要します。
見所・特徴
この中城城は沖縄に現存しているグスクの中でも屈指の良好な保存状態とされていて、琉球石灰岩が積まれた美しい石垣を見ることができるのが特徴です。
琉球石灰岩とは海底のサンゴが隆起した後に歳月を経て岩へと姿を変えたもので、中城城を支えているのはいわばサンゴの石垣なのです。
眺望も非常に優れており、かつての中城城はその見通しの良さと堅牢な造りから守りやすさに長け、攻めにくさに特化した城でした。
また催し事として、冬至の季節になると中城城では「わかてだを見る集い」が実施されます。
「わかてだ」とは「若てぃだ」、てぃだは太陽を意味する言葉であり、冬至を境に太陽が生まれ変わるという沖縄の思想を体感することができるイベントとなっています。
座喜味城
かつての琉球王国の著名な権力者の一人に、護佐丸という人物がいました。
恩納村出身で忠節の人として知られる護佐丸は、築城の名手としても名高く、いくつかのグスクの建設に関わったことで知られています。
その護佐丸が手掛けたグスクの中でも特に美しい出来栄えだとされていたのが、15世紀初頭に建てられた座喜味城です。
恩納村からのアクセス
座喜味城の住所は、沖縄県中頭郡読谷村座喜味708-6。
現在、城そのものは残されておらず「座喜味城跡」が地名となっています。
カーナビ検索に影響はありませんが、一応留意しておきましょう。
最寄りのバス停は「座喜味」で、そこから徒歩15分程度の時間が目安となっています。
見所・特徴
上でも述べた通り、残念ながら座喜味城の城部分は現存していません。
しかし護佐丸の卓越した築城技術は石垣の光景に残されており、整然とした城壁としての美しさと美術品を思わせる優美さを兼ね備えた姿には気品が漂っています。
石垣と聞くと、よほどの城マニア以外は見ても楽しめないのではないかと思われるかもしれませんが、知識がなくても感動を得られること請け合いです。
また小高くなった敷地からは残波岬や慶良間諸島を一望することができ、ロケーションという点でも絶好のスポットとなっています。
勝連城
琉球王国の歴史の中でも歴史愛好家たちのロマンをかきたてる存在が、阿麻和利(あまわり)という人物です。
東アジアとの積極的な貿易を行ったり、護佐丸を自害させたりと歴史書に頻繁に名を見せ、最後は王位簒奪を目指して首里城へと攻め上がり大敗してしまったと伝えられています。
その阿麻和利が10代目の城主を務めていたのが勝連城です。
恩納村からのアクセス
勝連城の住所は、沖縄県うるま市勝連南風原3908。
カーナビ検索は、古いカーナビだと施設名で上手くルートが表示されないケースが多いようです。
マップコードか電話番号での検索が、勝連城跡のホームページで推奨されています。
マップコードは499 570 238*21、電話番号は0989787373ですので、いずれかを利用するようにしましょう。
バス利用に関しては「勝連城跡前」というバス停がありますので、わかりやすい立地となっています。
見所・特徴
ここも城は現存しておらず、現在の名称は勝連城跡となっています。
しかし1つ、2つ、3つ、4つと階段のように連なった曲輪(くるわ)からは、築城当時の琉球王国の実戦に備えた城作りという思想を窺い知ることができる点が面白いところ。
特に一の曲輪は眺望が良く、金武湾と沖縄の山々、いくつかの離島を北側に望むことができ、知念半島、久高島、中城城跡などを南に見晴らせる景勝地となっています。
世界遺産として登録されているグスク群では最古のものであり、琉球王国の歴史の深みを存分に感じ取ることができるでしょう。
今帰仁城
最後にご紹介させていただくのは、13世紀に築城されたと考えられている今帰仁城(なきじんじょう)です。
考えられている、という曖昧な書き方は、このグスクを築城した人物に諸説あり正確なところがわかっていないため。
有力な説は琉球王国成立以前の「三山県立の時代」に北山王という人物が築いたというものですが、説の域を出ていないそうです。
恩納村からのアクセス
今帰仁城の住所は、沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊4874。
カーナビ検索は「今帰仁城跡」で問題ありません。
最寄りのバス停は「今帰仁城跡入口」で、下車すれば目の前にあります。
見所・特徴
今帰仁城の特徴はその広さ。
面積は王城であった首里城と近く、城内の郭は外郭を含めて七つを数えます。
ここも城自体は現存していないのですが、広い敷地に見合っただけの数多くの見所に溢れています。
ボランティアの解説スタッフが常駐しているのも嬉しいポイントで、チケット売り場で希望すればガイドの方の解説を受けながら回ることができ、今帰仁城観光に深みが増すでしょう。
また、春には城壁のライトアップを含む桜まつりが開催されます。
照明やロウソクで彩られたグスクは幻想的な美しさを見せてくれますので、時期が合えばぜひ足を運んでみてください。
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壮大なグスクを見た後はアクティブに楽しもう!
グスク鑑賞の後は、沖縄に来たわけですから、ぜひ海も堪能してしまいましょう。
沖縄観光の大定番、マリンアクティビティに参加してみるのはいかがでしょうか。
恩納村でおすすめのアクティビティ5選
沖縄本島屈指のリゾートエリアである恩納村では、バリエーション豊かなアクティビティツアーに参加することが可能です。
その中から5つをピックアップさせていただきましたので、順にご覧ください。
シュノーケリング
沖縄、特に恩納村の海はサンゴが豊富で、サンゴの水質浄化作用と黒潮の影響が相まって透明感に溢れています。
浜辺から眺めるだけでもその景観には心が洗われますが、せっかくならその透明感の中へと潜ってみたいところ。
シュノーケリングは初心者から上級者まで、老若男女を問わず幅広く楽しめるアクティビティであり、恩納村ではさまざまなスポットでツアーが実施されています。
身に着ける装備はシュノーケルをはじめ数点の軽装だけで、レンタルが可能なため、自前で準備する必要はありません。
特に恩納村はリゾートホテルが所有しているプライベートビーチなど、環境の整った人工ビーチが多く、安心してシュノーケリングを楽しむにはピッタリです。
海中に入ると視界のクリアさに驚かされること間違いなし。
亜熱帯気候なため寒さの心配も一切なく、春夏はもちろん秋冬であっても思いっきりシュノーケリングを楽しむことができますよ。
ダイビング
シュノーケルをご紹介したところで、沖縄のマリンアクティビティといえば、ダイビングも外せません。
酸素タンクやレギュレーターを身に着け、より深い海へとより長時間のダイブに挑戦できるのがダイビングです。
基本的には、ライセンスを取得しなければ遊ぶことができないハードルの高さが若干ネックとなるのですが、恩納村には体験ダイビングを楽しめるスポットが点在しています。
体験ダイビングとは、インストラクター同伴で規定の範囲内の深度まで潜ることができるというもので、ダイビングの魅力をしっかりと体感することが可能です。
シュノーケルと比べても息継ぎの必要がないという点が大きなメリットで、自分が海中の住人になったかのような素敵な感覚を味わえますよ。
ダイビングが気に入った方は、そのまま恩納村で行われているダイビング講習に参加してライセンス取得を目指してみるのもいいかもしれませんね。
SUP
さまざまなアクティビティの中でも屈指のオシャレ度を誇るのがSUPです。
SUPとはStand Up Paddleboardの頭文字を並べたものであり、ボードの上に立って海に浮き、パドルでそれを漕いでいくというのがアクティビティの内容。
単純そうに聞こえるかもしれませんが、ボード一枚で海面に立つのは想像する以上に効率的な全身運動となってくれます。
エクササイズ効果が極めて高く、元はハワイのサーファー発祥だったものが欧米のセレブ層に人気が出て、世界的なアクティビティになったという経緯がSUPにはあるのです。
さて、SUPが近年人気を高めている理由は、Instagramが盛んになったからという理由が挙げられます。
海面にボード一枚で立つ光景はスマートかつスタイリッシュで、さらに夕暮れの時間ともなると素敵なシルエット写真を撮ることが可能なのがSUPの良さ。
インスタ映えを求める若年層に人気が爆発し、沖縄においても需要が大いに高まっているのです。
SUPにチャレンジして、思いっきり映えてみませんか?
カヌー・カヤック
小舟の上でゆったりと恩納村の海を眺める時間を楽しみたい方には、カヌー・カヤックがオススメです。
カヌーやカヤックといえばアスリートが激しく船を漕ぐ姿を思い浮かべられる方もいらっしゃるかもしれませんが、アクティビティとしてのカヌー・カヤックはとてものどかに楽しめます。
安定性が高いため転覆することもほぼありませんし、ライフジャケット着用での乗船なため泳げない方でも心配は無用です。
二人乗りができる点も嬉しいところで、まだ幼く一人で乗るのは難しいお子様でも一緒に乗ってあげれば海上の光景を楽しませてあげることができてしまいます。
透明な恩納村の海は船の上から見下ろしても極めてクリア。
サンゴや熱帯魚たちのカラフルな姿を堪能することができますよ。
マリンスポーツ
沖縄の海を華々しく楽しめる手段の筆頭といえば、多種多様なマリンスポーツ。
水上バイクで海上を豪快に突き進むのも良いですし、ハイスピードで牽引されてスリルと水しぶきを味わえるバナナボートやビッグマムも大人気です。
恩納村にはリゾートホテルが多く、その傍らにあるビーチではマリンスポーツのツアーが開催されているケースが多くなっています。
安全管理も行き届いているため、安心して参加することができますよ。
水上バイクで凧揚げのように牽引してもらえるパラセーリングや水圧で空中を舞うフライボードなど上からの視点を楽しめるものもあり、大変オススメとなっています。
まとめ
沖縄県の歴史の象徴とも言えるグスクについてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
琉球王国の歴史は奥深く、調べれば調べるほどハマってしまう人も少なくありません。
特に歴史がお好きな方はぜひ数々のグスクを巡られてみてくださいね。